刑事裁判の流れ
■刑事裁判の流れ
裁判は、主に法廷の中で行われます。
法廷は、裁判の行われる場所のことで、一般的には、裁判所の中にしつらえられた部屋です。
裁判の流れ(一般的なプログラム)は次のようになっています。
法廷内で行われる事柄を「審理」といい、その後、内容を話し合うことを「評議(審議)」といいます。
<人定質問>
↓
<起訴状の朗読>
↓
<黙秘権の告知>
↓
<被告人・弁護人の陳述>
↓
<証拠調べ>
↓
<論告・求刑 >
↓
<被告人・弁護人の最終陳述> ……ここまでが「審理」
↓
<評議>
↓
<判決>
................................................
<人定質問>
刑事裁判の第1回公判の最初にだけ行われます。
裁判官が被告人に、「氏名」「住所」「年齢」「職業」「本籍」などを質問して、本人であることを確かめます。
<起訴状の朗読>
検察官が起訴状を朗読します。
検察官とは、いわゆる警察側、犯罪を捜査する側です。
検察官は、国家公務員です。公益の代表者として「法が定める一定の権限」として、犯罪者を追及(法の正当な適用を請求)するのですが、裁判の執行を監督する役割もあります。
起訴状には、被告人の氏名、公訴事実、罪名などを記載してあります。
だれが、どこで何をして、どういう罪に当たるのかということです。
ここで、検察官は「公訴を提起する意思」を表示するのです。
つまり「不法だから処罰せよ」を訴えるのです。
<黙秘権の告知>
黙秘権とは、公判中に供述を強要されない権利です。供述拒否権ともいいます。
読んで字のごとく、黙り込んでいても構わないというわけです。
黙っていれば何も分からないのでは…という考え方とともに、強要により自白には信憑性が疑われることもあるので、黙秘権を使っても、被告に不利になることはありません。
<被告人・弁護人の陳述>
弁護人が起訴状に対しての発言を行います。
被告人本人に発言させることもあります。
検察官の説明と事実は異なる点などを説明します。
たいていは、「起訴状の通りです」と罪を認めます。
しかし、「やってない」という主張もここで行われます。
ここまでは、事件の事実を確認する作業です。
<証拠調べ>
ここで、犯罪にあたるのかどうか、証拠を出して立証していきます。
裁判を起こすときの書類は「起訴状」のみなので、事件を犯罪と確定するために集めたいろいろな証拠を、ここで発表します。
証拠調べの流れ…
1・冒頭陳述
検察官が証拠によって証明しようとする事実を明らかにする旨を述べます。
検察官に続き、被告人側も冒頭陳述ができます。こちら側は、罪を犯していない証拠がある、ということを述べます。
2・証拠調べの請求
証拠物を提示します。
また、証拠として人物を連れてきているとき「証人尋問」を請求したり、証拠の可能性のあるものを鑑定してもらうように請求することができます。もちろん、根拠があっての物品に限り、理由が分からないものは却下されます。
冒頭陳述同様、検察官が先に行い、続いて被告人側も請求することができます。
3・証人尋問、被告人質問、被害者の陳述
これらは裁判長の仕切りで行われます。流れによって、必要だと思われるタイミングで促されます。
たとえば、証人尋問のなかで、被害者側に質問がなされることもあります。
裁判官は不適当な発言は中断させることができます。
その場合は、言い方を変えて進めることになります。
◆証人尋問
事件を見ていた人、関係のある人などを連れてきて、証拠となる発言を求めます。証人は、検察側も被告人側も呼ぶことができます。複数の犯人がいる時には、共犯者を証人とすることもあります。
証人への尋問は、まず連れてきた方が先に行います。これを主尋問と言います。その後、相手側からの質問に答えなければなりません。反対尋問といいます。
◆被告人質問
検察側が、被告人に対して質問をします。供述を得ようする誘導尋問は禁止されており、弁護人が中止を請求することができます。
被告人は、黙秘権を行使できます。
◆被害者の陳述
被害者本人の陳述の場は、ここだけです。
しかし、被害者は傷を負っているので、質問の内容、追及の仕方次第で心理的な負担が大きくかかります。
<論告・求刑 >
証拠調べが終わったら、検察官が「事実」および「法律の適用」について最終的な意見を述べます。これを論告といいます。
それによって、どんな刑罰を与えるのが適当であるかを主張します。これを求刑を言います。
<被告人・弁護人の最終陳述>
最後に、被告人側に発言する機会が与えられます。
検察官の主張に反論したり、現在の心境が語られたりします。
<評議>
裁判官と裁判員によって、相談が行われます。
評議は、全員の致するまで議論を重ねるのが原則です。
しかし、9名の裁判員、裁判官がいるので、一致しないこともあります。
その場合は多数決で決められます。
判断の基準として、「無罪推定の原則」が重要になります。
これは、疑わしいときには「被告人」の利益になるように判断することです。被害者からすれば納得のいかないことですが、冤罪を無くす上でも大事な原則となっています。
<判決>
裁判所として判断された最終的な結論、罪名を発表します。
判決は、裁判長が朗読する文章で言い渡され、「主文」と「理由」で構成されます。
通常は。主文→理由の順で読まれますが、どちらが先かは決められていません。
判決をもって、第一審の刑事裁判は終了です。