裁判員候補者の選び方 〜名簿をつくる〜

■裁判員候補者の選び方 〜名簿をつくる〜

裁判員法のことを調べていく中で、最初につまずく言葉があります。

いったいだれが裁判員になるの?
というところで、私たちにつけられる「呼び名」です。

次の4つがでてきます。

「裁判員候補予定者」
「裁判員候補者」
「裁判員」
「予備裁判員」

違いに気をつけながら見ていきましょう。

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裁判員の名簿を作るときに、

「裁判員候補予定者」
「裁判員候補者」

と、2段階のリストがあります。
国民はいわゆる「ふるい」にかけられるのです。

(1)

「裁判員候補予定者」とは、
「選挙権」を有する人です。
これは、選挙管理委員がもっている「選挙人名簿」そのものが該当します。

当然、「選挙権がない」と、この時点でリストに載りません。

選挙権がない人とは、

・日本国民でない
・年齢満20年未満
・判断能力のない障害者
・犯罪者

です。

★具体的には、公職選挙法11条1項、252条、政治資金規正法28条に規定があります。


(2)

次に、1年に1回「次の年の裁判員候補」の名簿が作られます。
「選挙人名簿」の中から、抽選で選ばれます。

裁判は、「地方裁判所」ごとに行われるので、「次の年の裁判員候補」の名簿も、「地方裁判所」ごとに作られます。

といっても、「選挙人名簿」を管理しているのは、「選挙管理委員会」なので、選出も「選挙管理委員会」に任されています。

裁判は、年に何回行われるか決まっていないので、けっこうたくさんの人が選ばれます。
地方裁判所」が次年度に必要だと考える候補者の数を決めます。

「選挙管理委員会」は、「くじ」によって、選出します。
くじの方法は各選挙管理委員会に委ねられていますが、ほとんどの自治体が、最高裁から配布されたプログラムを使っているそうです。

地方によっては、作為のないように、抽選する場面を公開することもあります。

まとめますと、
裁判所が、「○○人ぐらい選んでちょうだい」というと、
選挙管理委員会が、「公平にしますよ!」と「くじ」で選びます。
このくじは「裁判所」が渡すコンピューターソフトを使っているので、結局どちらにも責任がかからないようになっているのですね。


(3)

「選挙管理委員会」は、名簿の作成をしなくてはなりません。

しかし、この制度は「裁判所」が決めたことなので、
私たち国民は、「裁判所」発の文書なり報告なりでないと、とてもややこしく感じます。

そこで、選挙管理委員会は、「くじ」の結果を、「地方裁判所」に伝えます。
これが、10月頃の話です。

名簿を受け取った「地方裁判所」は、改めて「裁判員候補者名簿」を作成し、ここに記載された人に、「記載しましたよ〜」ということを通知しなければなりません。

これが、12月頃までに行われる作業です。
年度は4月始まりですので、約5か月前に、候補者となった人は、来年の裁判に参加するかもしれないことを知らされるのです。

この時点では、かなりいろいろな事情をお持つの方々が含まれています。

ですから、この通知には、「返事」を返さなければなりません。
「辞退します」という返事です。
「調査票」という形式になっています。

辞退理由がない人は、返送する必要はありません。
「名簿の記載に同意する」という意志表示になります。

「調査票」は、「最高裁判所」の名前入りの封書で、「普通郵便」にて送られてきます。
電話連絡、ハガキや宅配(メール便)で届けられることはありません。

「地方裁判所」の仕事ですが、回答の返送先など、窓口は「最高裁判所」になっています。
裁判員制度を装って、個人情報を聞き出したり、金銭を請求しようとする悪質な事件も起きています。不審な点があったら確認したほうがいいでしょう。
 
 最高裁判所: 東京都千代田区隼町4番2号(http://www.courts.go.jp/saikosai/)


<調査項目>

・就職禁止事由
・客観的な辞退事由に該当しているか

<調査しない項目>

・振込先口座番号
・電話番号

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ちょっと面倒なのは、ここで「辞退」できるのは、
「裁判所」側にとって、「あなたの職業や立場では、ちょっと困るんですけど…」という人が辞退の対象者になっているということなのです。

「できない人!」なのではなく、
「やらないでくれる?」人(職業)を挙げておくので、自分から申告してね、というのが「調査票」なのです。
元法律家や、現役法律家や、法律を勉強している学生…、警察、公務員などが対象になります。

実際には、「選ばれたところでとてもじゃないけれど裁判員になんてなれない!」とおっしゃる人も、大勢います。
残念ながら、それらのほとんどは、「個人的な理由」なので、この段階では辞退できないことになっています。また、あとで聞いてもらえます。

「調査票」によって、辞退の理由が認められたら、(というか、裁判所が職業を把握したいのだと思うのですが)、名簿から削除されます。

「最初から記載されない」のではなくて、いったんリストに載った上で「削除」という手続きになります。

これで、「裁判員候補者」が決定します。

裁判員候補者は、「毎年」選出されるので、「辞退理由」がなくなれば、次年度からは選ばれる可能性もでてきます。
また、「辞退理由」に変更がないのに、「たまたま」何度もくじに当たってしまうということもあるかもしれませんね。

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◆STEP1◆ 〜必要な裁判員候補者の員数を確定〜
<誰が> 地方裁判所
<いつ> 1年に一回、9月1日までに
<誰に> 各市町村の選挙管理委員会
<どうする> 次の年に必要な裁判員候補者の員数を通知


◆STEP2◆ 〜くじによる選出〜
<誰が> 各市町村の選挙管理委員会
<どこから> 選挙人名簿(衆議院議員の選挙権を有する者)
<どうする> 「くじ」により裁判員候補者の予定者を選定する


◆STEP3◆ 〜候補予定者名簿の作成〜
<誰が> 各市町村の選挙管理委員会
<いつ> 10月15日までに
<誰に> 地方裁判所
<どうする> 「裁判員候補予定者名簿」を作成し送付する


◆STEP4◆ 〜候補者名簿の作成〜
<誰が> 地方裁判所
<どうする> 「裁判員候補者名簿」を作成する


◆STEP5◆ 〜該当者への通知〜
<誰が> 地方裁判所
<いつ> 12月ごろまでに
<誰に> 裁判員候補者名簿に記載された者
<どうする> 名簿に記載された旨を通知する


◆STEP6◆ 〜調査票〜
<誰が> 地方裁判所
<いつ> 12月ごろまでに
<誰に> 裁判員候補者名簿に記載された者
<どうする> 調査票の送付、回答の提出


◆STEP7◆ 〜名簿からの削除〜
<誰が> 地方裁判所
<誰に> 回答の提出者
<どうする> 裁判員になれない人、辞退理由の審議

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